多汗症とは、通常以上の汗を出してしまう症状、病気、体質のことを言います。他人から見ればただの汗っかきとなかなか区別が付かず、悩んでいる方も多いと思われます。また、多汗症とワキガには関連があると思われがちですが、原因となる汗を分泌している汗腺が異なるので、その点は心配しなくても大丈夫です。肝心の多汗症の治療についてですが、本サイトでも、手術による対策や、ボトックス注射、自律神経訓練法、音楽療法など様々ご紹介していますので、是非参考にしてください。
多汗症を治療するための方法には手術をするという方法もあります。発汗を作用している交感神経をブロックするというもので手のひらの汗を止める場合には「胸腔鏡下交換神経切除術」といわれている胸腔鏡(スコープ)を用いて胸部交感神経を遮断する手術を用います。全身麻酔をしてわきの下の皮膚を2ミリから4ミリほど切って行われます。傷口も小さくて手術時間も短いので患者さんへの負担は少ないとされています。同じように足の裏の汗を止めるためには腰椎の交感神経をブロックするといった手術の方法があります。
ただ、どちらの手術方法も手のひらや足の裏の汗はストップすることができますが手術をしてから手のひらや足の裏以外の部分から汗が出るといった代謝性発汗(反射性発汗)が起こることがあります。けれども手術の前に代謝性発汗を予測することは難しくてかなり個人差があるようです。このように多汗症の手術をするような場合には、医師とよく相談をしてから心配なことは事前に確認しておいたほうがといでしょう。
ちょっとした工夫でも汗やニオイは減らすことができます。多汗症治療のための手術をする程でもないし、治療も大変そうというかたもいますよね。そのような方の場合は一時的な対処法ではありますが汗を減らす方法やニオイをとるといった入浴法がおすすめです。さっそく試してみてくださいね!
多汗症の治療方法には、薬物療法もあります。多汗症の場合には汗に対する不安を取り除くことを目的として精神安定剤(抗不安剤)を処方されることもあるのです。ただ、この薬の場合は直接汗をとめる作用があるわけではありません。おもに緊張を緩和することが目的となっています。また、東洋医学でも多汗症に対する治療があり、この治療方法は体の体質に対しての治療になるため利用する場合には東洋医学専門医か専門薬剤師と相談したほうがよいでしょう。
直接、汗に作用する薬の場合は汗をかくときに交感神経の末端から出ているアセチルコリンという化学物質が出てくるのを止める薬があります。それは抗コリン剤といいます。けれども、この神経遮断薬は腺からの分泌を止めるための薬なので手のひらだけではなくて全身に作用してしまいます。また口が渇いたり便秘や胃腸障害などの副作用があると言われており使用を考えている場合には必ず医師と相談してから慎重な判断をしたほうがよいと思います。
他にも制汗剤の使用をする人もいます。一時的なものでもよいので、手のひらや足の裏の汗を止めたい場合には制汗剤を使用するという手段もあります。現在では制汗剤は市販されている種類も多くてどのようなタイプを使用するかは自分の状況に合わせて選択してみればよいでしょう。
アルミニウム塩などを用いた制汗剤は効果的だと言われており、ただこの制汗剤は物理的に汗が出てくるのを止めるだけのものなので多汗症そのものを治療するものではありません。また、アルミニウムは人体への有害性も指摘されているため使う場合には、注意事項をよく読んで用法をきちんと守るようにしたほうがよいでしょう。
多汗症を治療するためには何科を受診すればよいのでしょうか。実際、多汗症の人は手の皮膚から汗がでているため皮膚科へ行くケースが多いようです。また、多汗を精神的なものと考える人は精神科や心療内科へ行ったりします。ほかにもワキガなどの治療も行っている美容外科へ行くこともあります。多汗症の治療法はいくつかあるため自分にいちばん合った方法をじっくりと選んだほうがよいでしょう。そのためにも複数の科を受診することもよいかもしれませんね。自分で納得できる方法を見つけることが大切だとおもいます。
多汗症の治療方法で心身療法があります。多汗症は必ずしも精神的なものが要因ではありませんが場合によっては心身療法によって症状が軽くなることもあります。汗に対して恐怖感や強い不安感を持っている場合にはこの方法を試してみるとよいとおもいます。
多汗が原因で「人前に出らることができない」、「人の視線が気になって仕方がない」というように心の病にかかってしまうケースもあるからなのです。心身療法では主にカウンセリングにより汗に対するマイナス意識を変えていくこともあります。ほかにも自律訓練法によって自律神経(交感神経や副交感神経)のはたらきを整えるといった療法を行っています。
漢方薬とは、東洋医学に基づいて処方される薬のことで東洋医学の考え方は、とても奥が深くて一言で語ることはとても難しいようです。あえて簡単に言うとすれば病気や身体の不調が現れるということは全身のバランスが崩れてしまっていることが原因となっているという考えのようです。そのため、そのバランスを自然に近い形にしていき本来の姿に戻そうとする働きが漢方薬の働きとなるのです。
このことは、多汗症の場合にも効果が期待できると考えられています。ただ、一般の薬とは違ってその効果が見られるまでは長い時間がかかるようです。また、個人差が大きくでてきますので同じ症状を訴える人であっても人それぞれ漢方薬の処方内容は変わってきます。多汗症になりやすい体質を根本から改善させることを考えている人にとっては漢方薬をつかうという手段をもちいてもよいのではないでしょうか。いくつか多汗症のかたが用いてみるとよい漢方薬を紹介したいとおもいます。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は多汗症の漢方薬治療において一番、ポピュラーな漢方薬で特に、気温の高さに比例して汗の量が増えるような人ややや太り気味の人にたいして効果がみられます。桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)は発汗のバランスを整えてくれて、全身性の発汗を抑える効果があり虚弱体質の人に向いている漢方薬になります。柴胡桂枝乾姜湯 (さいこけいしかんきょうとう)は顔や手、そしてわきの下などの上半身の多汗症に効果がある漢方薬で虚弱体質で疲れやすい人に向いています。
以前の多汗症の考え方は人よりも緊張しやすいからということや神経質だから汗をかくのだと考えられおり実は気の持ちようで汗はかかないと思われていました。けれども、実際に多汗症の人は自宅でリラックスをしていたとしても手のひらに汗をかいていたり、朝起きてからすぐに汗をかきはじめることもあります。
多汗症の場合は、精神的に緊張しているため汗をたくさんかくのではなくて緊張したときに発汗を促している「交感神経」が敏感なため汗を多くかいてしまう傾向があるそうです。このようなことから朝目覚めたときなど普通に交感神経が働きはじめただけなのに人よりも汗をかいてしまうことがわかります。多汗症の場合は必ずしも精神的な要因による病気と断定はできないようです。
また多汗症の裏に病気が隠れていることもあります。汗が大量に出るその原因としては、何かしら病気が関係していることもあります。汗が必要以上に出る病気としては、更年期障害の症状のひとつとしてあります。汗をかいたと思ったらすぐにひいてしまうということなのですが、更年期にはいり卵巣の機能が衰えてくると発汗を抑えるためのエストロゲンというホルモンの分泌が低下するためにそのような症状がみられるのです。
最近の「更年期障害」は甲状腺機能亢進症によるものがあります。甲状腺機能亢進症になってしまうと甲状腺ホルモンが増えてしまい基礎代謝が高まります。そのため全身性の多汗がおこる場合があります。また褐色細胞腫によるものもあります。副腎腫瘍の一種でもある褐色細胞腫になってしまうとアドレナリンはたくさん分泌されてしまいこの代謝を高めるために多汗になることもあります。